糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

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私の本の日記(1)

名コンサートマスター、キュッヒルの音楽手帳 / 野村三郎
名コンサートマスター、キュッヒルの音楽手帳 / 野村三郎(音楽之友社)★★★
 四十五年間ウィーンフィルのコンサートマスターを務めたキュッヒルの生い立ち、写真、インタビューなどを野村三郎がまとめた本である。キュッヒルはウィーンフィルのシンボル的存在であった。私は一度キュッヒルのサインをもらったことがある。それは2011年のウィーンフィルのニューイヤーコンサートを聴いて、1月3日飛行機で帰る時隣り合わせになったからであった。この本には興味深い写真がたくさんあり、その1つは、カルロス・クライバーがキュッヒル家を訪れ、娘を抱いている写真である。また、キュッヒルらしいエピソードも多い。日本でのリサイタルのときモーツアルトのヴァイオリンソナタを演奏していて、ちょうど楽章間でケータイが鳴り出して会場がざわついたことがあった。キュッヒルはざわつきが収まるのを待って再び弾き始めたと思ったら、なんとケータイの電子音のメロデイーを寸分違わずまねた音だったという。会場は驚きで一瞬息を飲んだが、静かな笑いの輪が拡がったということだ。いいエピソードだ。もう1つ驚くべきエピソードは、21歳でコンサートマスターになったのだが、それまでほとんどオペラを聴いたことがなかったという。その彼が突然オペラのコンサートマスターの席に座らされた時、楽譜を初見で完璧に弾いたということである。彼の奥さんである真知子さんが「青い眼のヴァイオリニストとの結婚」(新潮文庫)(★★★★)という本を書いている。このなかで、キュッヒルがマザーコンプレックスであることや、彼女と不倫した相手の男性と夫が直接対決したことなどを告白している。キュッヒルはこの本の存在を知っているのだろうか。(平成28年9月)

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