糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

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私の本の日記(2)

幻庵 / 百田尚樹
幻庵 / 百田尚樹(文藝春秋)★★★★
 百田の久しぶりの長編小説が発刊されたと聞いたが、囲碁の本だというので躊躇した。なぜなら、私は囲碁に関しては門外漢だから。しかし、百田が囲碁の解る人のみを対象に本を書くはずがないという思いにいたって、買ってみた。はたして、読んでみて、囲碁が全く解らない私にもすんなりと読むことができた。シノギ、ハネ、カカリ、サガリなど、独特の用語には苦しんだが、試合の詳細が解らなくとも、物語の本質には関係のないことだった。江戸末期、頂点の座 名人をめざして、幻庵と丈和が壮絶な闘いを繰り広げる。まさに死闘である。名人をかけた試合で、幻庵に追い込まれた丈和が碁盤に覆いかぶさるようにして長考に入ったとき、周りの観戦していた人たちが「トン、トン、トン」というなにかツツミを打つような変な音がするのを聞いたという。皆が何だろうと不思議がったところ、それは丈和の心臓の音であったというエピソードが強烈に頭に残っている。幻庵もまた、名人をかけた試合中に吐血したこともあった。ストレスによる急性胃病変のためである。それにしても百田の才能、恐るべし。毎回本を発刊するたびに、異なるジャンルで優れた作品を書くという快挙を成し遂げ続けている。(平成29年2月)

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