糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

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私の本の日記(2)

ウィーン愛憎 / 中島義道
ウィーン愛憎 / 中島義道(中公新書)★★★★
 著書には「うるさい日本の私」や景観問題を取り上げたものなどがあり、ずっと以前読んだことがある。中島義道は怒りの人であり我慢できない人であり闘う人である。強烈な個性の人間と言ってよい。正義感と感受性が人一倍強く、繊細な精神の持ち主なので、普通の人があまり気にならないような問題でも我慢ならず、断固闘わなくては気が済まないのである。そのような筆者が33歳のときウィーン大学に入学し、日本人学校の英語の現地採用教師をやりながら学位論文を仕上げるまでの4年余りの生活の話である。この間日本人と結婚もしている。シドニーに2年間暮らしたことのある私にとって、4年間におけるヨーロッパ人と彼の壮絶な闘いを見て感じることは、共感できる部分と何もそこまでしなくともいいのではないかという部分と半々である。1980年ごろの話であるから現在の事情とはかなり異なると思われるが、当時のヨーロッパ人は、非ヨーロッパ人とりわけアジア人に対し高慢で高飛車で、そして自分の権利を守ることに関しては頑迷であったのだろう。中島青年はそのようなヨーロッパ人に対し、多くの日本人が争いを避けるように立ち振る舞うことはせず、敢然と闘いを挑んでいったのであった。私の経験では、オーストラリア人の場合ヨーロッパ人ほど頑迷なところはないが、しかしやはり白人特有の高慢な精神を持っている人が少なくないように思われた。私の場合は、筆者と違って語学力が乏しいこともあり、彼らと闘うことは最初から諦めてしまい、人の良い日本人を演じて、お互いの良好な関係を保つことに努めたのである。そこには多少の忍耐が必要であり、ある種の鬱屈が心の中に蓄積していったことは言うまでもない。(平成29年2月)

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