糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

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私の好きな店(1)

支那そば太郎
 店に向かっている車の中で、私の頭はすっかり支那そばのことで一杯になってしまう。目の前に出された大盛の支那そばを前にしたとき、さあどういうふうに食べようかと想像する。まず香りを嗅いで、刻み葱を絡めた麺を少し食べてみる。うーん、美味い。次に、多めの麺を口に入れ、れんげですくったスープと一緒に食べてみる。麺をスープと一緒に食べると美味さが倍増する。次はチャーシューだ。大盛りには2枚入っていて、小さいほうは脂が多いので、先に脂の少ない大きいほうから食べてみよう。二十分間の運転中ずっとこんなことを考えていて、やっと着いてみたら臨時休業であったりする。ときどき臨時休業があるのだ。こんなときの落胆は著しく、すっかり打ちのめされた心を回復させるにはどうすればよいのか大いに悩むのである。
 無口な老主人の佇まいが良い。厳しい表情、無駄のない立ち振る舞いなどは昔の刀職人のような雰囲気がある。眼光の鋭さや引き締まった意志の強そうな口元は、一点の妥協も許すまじという一徹な精神を表しているかのようだ。一杯の支那そばに命を賭けているに違いない。その証拠に、出来上がったそばのお椀を差し出すその手をよく見れば、親指が必ずしっかりとスープの中に埋没している。ワシが作った一魂のそばを食べてくれ、という無言の主張なのである。意外に麺のゆで加減やスープの濃さが毎回微妙に異なるのは、客をけっして飽きさせないという絶妙な秘密技なのであろうか。小柄でまじめそうな奥さんも無口で、黙々と働いている。店の中はこの夫婦の独特な雰囲気に満たされており、客も静かに行儀良く、しんとした思いで椅子に座っている。流されているラジオと麺をすする音だけが店の中に響いている。カウンター10席ほどの小さい店なので、混むときは後ろに立って待つことになるが、席が空けば客同士の暗黙の了解で順番に座ることになっている。店の人は決して座席の案内はしないが、秩序はしっかりと保たれている。そういう点で、日本の日本らしい良いラーメン屋だと思う。
(松本市梓川倭555-1、0263-78-4901)

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