糖尿病、生活習慣病の専門医院 松本市・多田内科医院

多田内科医院 Tel.0263-36-3611
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おおっ トスカよ!

第4回
×月×日
 ザルツブルグ駅のプラットホームに若い日本人OL3人組がいた。そのうちの1人が熱のため具合が悪そうだったので、薬を分けてあげた。「3人仲良しでいいね」「そちらこそ親子2人旅なんて、わたしたちから見れば信じられなーい。ねー」「そうよ。うちのはデブで臭いし」「私はオヤジとなんか話もしたくないわ」などと賜う。そうか。そういうこともあるのか。そうすると、もしかしたら、うちの場合はオヤジ思いの心優しき娘、なのかなあ?。
 10時発のウイーン行きの特急に乗った。車窓からの景色が美しく、うれしい。森も林も牧場もなぜか洗練されているような感じを受けるのは不思議なり。その心優しき娘、酔い止めを飲んで眼を閉じている。途中、教会の塔が目立つ古めかしい街に停車した。「おい、起きろ。ここがリンツだぞ」「ふぇーい」ブルックナーの聖地である。さらに、モーツアルト交響曲第36番に付いている名前がリンツである。カルロス・クライバーがウイーンフィルを指揮したこの曲の映像を、わたしは最初から最後まで鮮明に頭の中で再現することができる。
 12時40分、ウイーン西駅には案内人の田中はるひさんが出迎えてくれた。ホテル デユ・フランスはブルックナーの常宿として知られている。旅に出ると大胆なおやじへと変身するこの懲りないわたし、受付で「ブルックナーの部屋に、ブルックナーの部屋に泊めてくれー」と叫んだが、若いツンとしたネーチャンは完全に無視。古いホテルだが、きれいに改装されており、清潔でかつ気品が高い。天井も高く、部屋にはでかいシャンデリアがあった。228号室なり。ザルツブルグのホテル ゴールドナー・ヒルシュも、このデユ・フランスも、ドクターKのY奥さんのご推薦だ。Y奥さんに紹介してもらったJ旅行社のM嬢「さて、どのホテルにしましょうかねえ」「そりゃあ、もちろん、こことここがよろしゅうございますわよ」と同席してくれたY奥さんのツルの一声。「はい、そこにします」とわたし。即決だった。
 夕食はたくさん食べる予定になっているので、昼はホテルのカフェで、再びウインナーソーセージとケーキとホットアップルパイだけにした。ウイーンの街の中心部はリング状の市電(トラム)が通っており、街全体が古い大きな建造物で満ちている。リングの中心には有名なシュテファン寺院がある。リングの北側にあるホテルを出て、大きく深呼吸をして地面を踏みしめるようにゆっくりと歩き出した。地図を見ながら寺院に向かってジグザグに進んでいくが、当然のことながらすぐに道に迷った。気がつくとリングの南の端にあるStaatsoper(国立オペラ座)の前に立っていた。おお、これがそうか。すごいな。ここから、日本の銀座通りのようなケルトナー通りという歩行者道が寺院に向かって北にのびている。ザルツブルグで買い物ができなかったうっぷんを晴らすように、土産店を見て回り小物を買いあさる。疲れたのでケルトナー通りのカフェに入ると、そこは有名なゲルストナーカフェであった。一つ覚えのメランジュを頼む。本場の本物のウインナーコーヒーざんす。隣のテーブルもその隣も、老夫婦が顔を寄せて何かを語り合っていた。ケーキを食べているのはいずれもジイサンのほうであった。
 夕食はドクターKノートの筆頭に書いてあったFiglmullerという店。ここでトイレ事件。店に入るまで我慢していた。お手洗いは店の外にあると聞いたので行ってみた。しかし、閉まっている。しばらく待っていたが、中に誰かが入っている気配もない。あっ、そうか。ウイーン西駅でトイレに入ったときは0.5ユーロの有料だった。ここも有料かな。みると、取手の下にコインを入れるような穴があったので、0.5ユーロ入れてみた。ピクリともしない。こっちは少々切羽詰っている。0.5ユーロじゃあ足りないかな、市内だもんな。こんどは1ユーロを入れてみた。何の反応もない。やけくそで2ユーロも入れてみた。店に戻り「開かないよ」と言ったら、「そこに掛けてある鍵をもっていけ」という。おい、最初からそういってくれよなあ。しかし、なんてこった。今度はわたしが入れたコインがじゃまで鍵が中に入っていかないのだ。また、ボーイを呼んできた。「アハハハハハッ、こんなところにコインを入れた間抜けなやつがいるよ」と言いながら、ドライバーを持ってきて簡単にこじ開けた。「まさかあんたが入れたわけでは?」「あっ、いや、と、とんでもない」ボーイは小銭を素早くポケットに入れた。「いいチップになってよかったね」「ああ、ラッキーだ」
 この店に来たらシュニッツェルという巨大な牛肉フライを食べなくてはならぬ。これを1つ頼み、あとはポテト、野菜サラダ、いつものコンソメスープを2人で半分ずつ食べた。どこにいってもパンは付いてくる。直径40センチもあるフライを、周りの人々は1人で食べていた。
 夜、テレビでミスター・ビーンの映画をやっていたのでビールを飲みながら最後まで見た。「ビーンよりも、おとうのほうが変なことをするね」

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